フェリーのチケットの問題はなんとかクリア。
とうとう出発の日の11日を迎える
僕は仕事だったのだが16時には自宅に帰れるようにお願いしておいたので予定どおり16時に帰宅
仕事が休みだったN君とは舞鶴港で会おうと言っていたのだが「やっぱり一緒に行きます」との事
「舞鶴港までにトラブルなんかが発生するリスクもあるから早く出よう」と伝えると「やることがあるから18時がいい」という
準備は完全にできていて自分のなかではすぐに出発するつもりだったので少し悶々としながら時間を潰す
そして18時に集合場所で合流
京都縦貫を使用して北上することに決定する。
はじめて使うインカムのテストをコンビニの駐車場で行い良好を確認
いざ、出発
一時間半ほど走って丹波でいったん下道に降りる
時間は20時ピッタリぐらい
コンビニに寄ってコーヒーを飲んで少し休憩と雑談
さあ、また走るか・・・とエンジンをかけるとN君が
「あれ?エンジンがかからない・・・」
と言った。
駆け寄ってみるとメーターやらの灯りがぼんやりとしか点いておらず明らかに電気関係のトラブルと言うことが分かった
「最近、環境を変えたことでなにか思い当たる事ある?」と聞くと「USBポートを付けるために改造した」と言うので新設されたUSBポートの配線を見るとハンドルロック部分でコードを挟んで被覆が剥がれていた
12Vの+がボディアースに触れるとエンジンがかかっていても充電されない
これかな?と思って被覆と配線の通り道を修正する
でもどうも納得がいかない、スイッチング電源回路を通り過ぎたDC5Vラインの被覆が剥けていただけなのだ
スイッチング電源回路にはなにか安全回路が付いているはずだ
W650はトランジスタ点火方式なのでバッテリーが弱ればエンジンも掛からなくなる事を知っていたのですごく嫌な予感がした。
時間も20時を過ぎているのでバイク屋は閉まっているだろう
彼はとりあえずエンジンをかけたいようでキックスターターを何回も蹴っていたがエンジンはかからず
二人がかりで押しがけをするとすんなりエンジンがかかった。
ヘッドライトやメーターの光量などは至って普通に光っているしエンジンも不安定な感じは無い
N君は「もう大丈夫!」と言ってまた舞鶴港を目指すこととなった
舞鶴港までの40kmぐらいの間に何度もインカムで「大丈夫?エンジンのフケとか問題ない?」と聞くと「全然だいじょうぶ!」と元気な返事が帰ってくる
(考えすぎだったかな?)と思いながら舞鶴の街に着いた
あと6km、もう少しだ
その時・・・
「エンジン駄目です!止まる!」
と、インカムを通して言ってきた
ミラーをみるとフラフラと歩道にW650を停めるN君
嫌な予感が的中してしまった。
時間は22時、出港まであと2時間しかない
しばらく他にショートしていないかを点検するもそれっぽいところは見当たらず
ひとまずJAFを呼び舞鶴港まで運んでもらう事とした。
頭のなかで(俺は北海道に行けたとしてもN君は無理かな・・・)と思った
もちろん決めるのはN君だ、何も言わなかったがこの日の事を昔からずっと楽しみにしていたN君の感情が激しく暴れる
ハイになったり、落ち込んだり・・・見ていて辛かった
今は感情的になっても仕方ない、行くか行かないかを決めなければいけない
N君は直るかどうか分からないW650を積んでひとまず小樽に行くと言った
「わかった」と返事して僕は先に舞鶴港に行く事にした
舞鶴港に到着 23時00分
もう乗船を待ちに待ったバイク乗り達が笑顔で会話していた
急いで受付に向かう
バイクはいつもフェリーの3階のフロアーに載せるのだがエンジンがかからないバイクを乗せてもらえるかが不安だった。
受付の人に「エンジンがかからないバイクを乗せてもらえるか?」と聞くと「うーん・・・」相手の顔が曇った
「3階に載せるからね・・・」と言いそれを押して載せるわけにも安全上問題があるらしい
「なんとかなりませんか?僕も押しますのでお願いします」と言うと「うーん、ちょっと待って」と言い裏口に消えていった。
10分ぐらいまたされただろうか受付の人が現れて「今回は1Fに場所を確保しましたのでそのバイクだけ1Fに停めましょう」と言ってくれた。
お礼を言って駐車場に戻るとN君もJAFに乗っけられて到着していた。
すぐに乗船が始まる
チケットをN君に渡し「じゃあフェリーのロビーで」と言ってまた別れた
部屋で落ち合ってとりあえずビールで乾杯
「今から電波はつながらなくなるが明日の17時ぐらいには小樽に船が近づいて携帯が使えるようになる。その頃に小樽のバイク屋に片っ端から電話してみよう・・・」
そう言って寝ることにした。
彼に笑顔は無い
(いったいどうなるんだろうか・・・)
そう思いながら眠りについた
おやすみなさい
8月11日走行分↓